TOKYOに本社のある洋服ブランド「STEVENSON OVERALL CO.」には、およそ100店舗の取扱店があるが、その内70%近くが海外のセレクトショップというかなりワールドワイドに展開しているブランド。
国内では同業者からの評価も高く、既存の国内アメカジブランドにはそれほどない、ヴィンテージウェアをベースにしながらも攻めたデザインやステッチワークをはじめとしたファッション性が国内や海外でも高い評価につながっているのだと思う。
彼らのプロフィールも紹介
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Zip Stevenson (Dr. DENIMの異名を持つ Hollywood Trading Company (HTC)の代表兼デザイナー ) と、多賀谷強守が運命と言える一つの出会いからはじまったスティーブンソン オーバーオールズ。1930年代にアメリカ・インディアナ州に良質なワークウェアを生産していた小さな工場があった。世界恐慌の煽りを受け閉鎖したこの工場のモノ作りに対するこだわりと存在を知り、経営者であった親族にも偶然にも会う機会がありました。そしてこの工場の名前とジップのラストネームが同名であったことから「STEVENSON OVERALL CO.」として新たに2005年にスタート。
ブランド創立時は二人が最も得意とするデニムパンツとベルトの製作から始めました。デニムパンツを作る上でどうしても再現したかったのが1920年代以前の縫製仕様である「一本針の折伏せ縫い」。決して合理的でないこの生産工程で定番として継続し続ける理由はブランド創立時から一貫している手作業による独特の味わいに対するこだわりにあります。
製作するアイテムは現在では忘れ去られたデザインやディテールワークなどヴィンテージクロージングから多くインスピレーションを受けていますが「古くて新しい、モダンでありながら普遍的」という相反する要素を併せ持った現代の衣服として再構築しています。
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今季で18回目のセレクト
EMPTY GARAGEは、2011年秋冬コレクションから Stevenson Overall co. を取扱開始。今季で18回目のセレクトとなる。
2020年春夏コレクションの中で、EMPTY GARAGE 独自のバイイングテーマとして「ブラック コットン」&「カラー リネン(麻)」を掲げた。そして先週「ブラックコットン」アイテムが先に入荷したので、数点のトップスを紹介したい。
・デニムジャケット
・ウエスタンシャツ
・カットソー
・ブーツを含めたコーディネート提案
最初は「カンヌキ縫製を使わず、むき出しのリベットで補強された」デニムジャケットから
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Style:
SOCのアイデンティティのひとつとも言える一本針の折伏せ縫いを採用したデニムジャケット。まだ、いわゆるジージャンがデニムブラウスと呼ばれていた時代のスタイルを意識したデザインは、カーブしたフロントヨークや、その曲線にあわせるようにセットされたフロントポケットなど、大量生産の時代では困難ともいえる仕様を随所に見ることができる。カンヌキ縫製を使わず、むき出しのリベットで補強された部分や前立てにセルビッジ部分を使うなど、どこまでもクラシカルに仕上げている。
Fabric:
タテヨコともにブラックに染め上げた糸で織り上げたオリジナルの生機(キバタ)デニムを採用。力織機によるセルビッジ付きで、ブラックデニムながらクラシカルな風合いを持った生地。
定番ウエスタンシャツ「Cody」に2種類の生地
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Stevenson Overall Co.の定番のウエスタンシャツ「Cody」。バッファローホーンをイメージしたフロントの変形ヨークとバックヨークはウイング型に象った特徴的なデザイン。胸ポケットのフラップもアーチ状にラウンドしたオリジナルデザイン。袖口のカフスも斜めにカットし、剣ボロもアールを入れた変形のディテール。
同じコットン素材でも異なる2種類の生地から選ぶことができる。
- タテ糸ヨコ糸ともにブラックに染め上げたブラックデニム生地
しなやかなライトオンス生地を採用。着込むことで独特な経年変化し、インディゴデニムとはひと味違った風合いを楽しめる。
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2. 高密度のモールスキン生地のCODYシャツ
同じコットン生地でも、デニムやキャンバス生地よりも丈夫だと言われるモールスキン生地。モグラ革のような微少な起毛があり、細い糸で高密度で織られており、ほどよい光沢感と上品さを併せ持つ。インパクトのあるデザインに上品な生地感がバランス良くまとまる。色はチャコール (炭黒)
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異なる生地のシャツをブラックデニムのセットアップに合わせてみる
- ブラックデニムシャツでオールブラックデニムコーディネート
生地の厚みがそれぞれ異なるため、同じブラックデニムでありながら、微妙なトーンの違いが陰影を生み出す。シャツはあえてタックインせず、ラフな印象でまとめた。
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- 次に光沢のあるチャコールブラック生地でのコーディネート
ブラックデニムとチャコール(炭黒)のコントラストを楽しめるコーディネート。オールブラックデニムよりも、こちらの方が親しみ易いかもしれない。
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ほぼ毎日着用しているサーマル・クルーネックシャツ
襟付きシャツも大人らしい印象で良いのだが「クルーネックシャツの方がリラックス」できるという方も多いはず。実際そういった声をよく店頭でも聞く。
4色展開されているこちらのサーマルクルーネックシャツは、ほぼ毎日我々も愛用しているお気にの入りアイテム。
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単なるロングスリーブシャツだと安っぽいストリートアイテムに見えがちだが、クラシックな袖リブを採用することで
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一枚でもしっかりと主張してくれるデザインになる。そして、何よりも、シャリ感のある空紡糸を使って度詰めで編み立てることで、しっかりとした生地感を持たせるだけでなく、インレイと呼ばれる編み組織なので、伸びが少なく、使い込むことで風合いが増してきている。
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こんなラフに使えて、良質かつ存在感のあるロングスリーブシャツをずっと探していた。多くのブランド、最高級からストリート系まで様々なサーマルシャツを着てきたが、このクオリティには驚いた!
白系以外は三色購入した。ブラックも、予備でもう1枚追加しておこうかと思うほど。1枚で着ても良いし、アウターの下から「見せるインナー」として最高だと思う! 着用写真の実物も、実は何度も洗濯乾燥機で洗ったあとに撮影しているが劣化が小さい。首がよれず、色落ちも少なく適度な生地のシャリ感がたまらない!
ブラックデニムのセットアップにこのブラックサーマルシャツを合わせてみた。着丈の短さも抜群に良い。
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クオリティーの高いアメカジウェアだから本格派の「テーラードジャケット」にも合わせることができる
アメカジ紳士が、時にはジャケットスタイルを、男らしいファッションで楽しみたいとき、またはそのようなお店で食事を楽しみたいとき
そんなシーンにおすすめなのが、デニムジャケットから、テーラードジャケットへのチェンジ。夏ならば、シアサッカ生地のジャケット、または上質なコットン生地ジャケットが、汗に強く耐久性もあり日本の暑いサマーシーズンに特におすすめ。
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コーディネートに度々登場している、細めのブラックデニムパンツ
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ブラックコーデにはブラックのブーツを!
細めのシルエットでコーディネートを完成させたいならば、シャープなつま先とエッジの効いたヒール形状が魅力の「WHITE’S BOOTS Packer 695木型」の相性が良い。
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ハードなアメリカンスタイルならば、マットなブラックレザーとハイボリュームが魅力の「WHITE’S Smoke Jumperオールブラックカスタム」
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そして、クラシックでミリタリーを感じさせる「カーキグリーンソール」と「ブラックホースハイド」が魅力のウエスコブーツ100周年記念ブーツ 38RT。
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さらに今季、EMPTY GARAGE がプロデュースしたJobmasterトウキャップ「カーキステッチ」カスタムもおすすめの1足。
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ブラックとカーキはコーディネートを完成させる上でも、相性抜群の組み合わせ!
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入荷が待ち遠しいリネン(麻)のヘンリーネックシャツ
今季入荷が待ち遠しいアイテムの一つが、リネンコットン生地のヘンリーネックシャツ。こちらも炭黒のチャコール。
26,800円(税抜)となるが、リネンは知る人ぞ知る高機能素材であり高級な生地。それでも、予約が多少入っており、サイズ切れも生じている。
メリノウールやリネン。そしてコットンでも織り方が変わると着心地と機能性が変化することを試してみて欲しい。ブーツや革ジャンに拘る方は、革質に拘る方が多いが、着用する洋服の生地の種類や特徴を知るとことで、より快適な生活を送ることができると思う。
リネン生地で汗をかいた時にどういう着心地になるのか。コットンやポリエステル生地とどう違うのか。着れば分かる、着ないと分からない….. こればかりは。
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今期もEMPTY GARAGE が厳選したアイテムを入荷前にご予約受付中。サイズ感などは是非お問い合わせ下さい。展示会でほぼ全て試着。
日本の蒸し暑い夏に最適な「リネン-麻-」素材のシャツとカットソーが特におすすめ!
化学繊維にはない、天然繊維ならではの機能性と経年変化をぜひ堪能下さい!
化繊の速乾性は確かに早いが、水分が蒸発するだけで臭い成分は生地に残り悪臭となる。臭いの元は洗濯してもなかなか落ちにくいのが難点。洗剤メーカーも新商品を開発してはいるが・・・・
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