ストロボ光電球色の下では、ダークブラウンに近い印象の茶芯のホースハイド。そのホースハイドはポーランド産のみを厳選して使用。樹皮エキスを用いながらピット層に漬け込み、ゆっくりと時間をかけて皮の繊維間にタンニンを浸透させた本ヌメ革です。専用のブーツBOXが付属。
WESCO本社地下倉庫の奥から運命的に発見された半世紀前の木型（1966年製）を使用したブーツ。つま先のボリューム感と立ち上がりが特徴です。100周年記念ロゴが採用されております。おそらく2018年式のブーツには、全て使用されるのではないでしょうか。
ハードウェアは全てアイレットとなりフックは付いていません。10インチ丈の高さに、レザーレース（革紐）ですので正直ブーツの脱ぎ履きはかなり大変だと思います。私はフック付のほうが楽だと思ったので、理由を聞いたところ、1940年代当時のデザイン性とフックにした場合、引っ張り強度が局所的にかかりホースハイドへの負担がかなり強くなるためと説明を受けました。つまりフックだと革が裂ける可能性もありえるということでしょうか。
トウはやや丸みがあります。撮影したブーツのサイズは 8E。BOSS TOEよりもトウのボリューム感が大きめです。
分厚いポーランド産の原皮を日本の有名タンナー「新喜皮革」にて「皮から革」に仕上げられたこのホースハイドは、本当に厚みともっちり感が特徴です。その厚みが一番分かりやすいのはガセット（靴紐の裏側）部分です。
正直、ガセットには分厚すぎるのでは？っと思うほどの厚み。レザーは茶芯をサンドするような両面がブラック（濃いブラウン？）となっております。
ジョブマスターの象徴的なバックステイ。強度を向上させるホワイトヘビーステッチとブラウンアッパーステッチで縫製。ヒール高もやや高めに設定されています。
アウトソールはビブラム700番のハーフスリップ。通称705番。八の字型の「ボブステッチ」として有名。７０５ソールは国内で90 年代から人気のあるアウトソールの一つ。（オプション価格7500円 2017年現在）
アウトソールをサイドアングルから撮影。ヒールからアウトソールまで前後の高さバランスが抜群です。土踏まず裏部分はミッドソール1枚なので、極端に薄く感じます。エッジの効いたシャープ感とも言えます。見えない部分にはレザーインソールがありますので、1枚しかないということではありませんが、90年代後半〜2000年のバイカーブームの時には、ビンテージバイクの重たいキックペダルへの耐久性向上のため、ダブルミッドソールを組み合わせるカスタムが主流でした。
ヒールと床面の接地感もスムーズな印象。CENTURY BOSS とは設定が異なるようです。
フロントミッドソールを良く見ると、ダブルミッド構造になっています。これはここ数年、705番ソールに標準仕様となっています。以前はシングルミッドでした。
CENTURY BOSS / Jobmaster 1st との比較写真。これからトウ、ヒール周りを比べてみます。
ラスト（木型）は、同じですので、当然ながらトウのシェイプや盛り上がりかたは同じです。BOSSサイズ9E、Jobmaster8E。ミッドソールの厚みがやはり異なります。Jobmaster 1st のほうが分厚い構造になっております。
CENTURY BOSS アウトソールの前後のバランス。約7mmの差があります。ダブルミッドソールにするか、ヒール高を1枚超減らすと安定性が増すかもしれません。そう言えば…….. 当店の顧客様でお一人様だけ、昨年の発注段階で入荷次第、ヒール高を1枚減らすよう要望されているお客様がいらっしゃいました。
Jobmaster 1st のアウトソール。前後のバランスがかなり良さそうです。
左：BOSS 右：Jobmaster ヒール高もJobmasterのほうがレザースリップ1枚分高くなっています。CENTURY BOSS 約4.0cm、 Jobmaster 1st. のヒール高は約 4.8cm。
その他ブーツのスペックデータ：
サイズ 8E （現行 JOBMADTER 8E よりも母子級周りややタイト目。甲周り微妙にタイト目）
全高 27ｃｍ
ヒール除く全高 22ｃｍ
ヒール高 ４.8ｃｍ
アウトソール全長 29.5ｃｍ
アウトソール幅 １１ｃｍ
重量 左足１163ｇ 右足１１50ｇ
納品について：
当店の予約分・在庫分すべて完売しております。現在のところまだ３足しか入荷しておりません。本来であれば８～１０月に掛けて納品予定となっておりましたが、12月末までずれ込む見込みとなっております。 納品が遅れておりますことを深くお詫び申し上げます。
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